18.01.31
知っておくと安心!花嫁のための和装用語レクチャー
現在、花嫁さんの多くにとって和装は非日常。
衣裳を選ぼうとすると、耳慣れない言葉がたくさん。
そこで今回は、衣裳選びや試着の時に出てきがちな和装特有の用語をいくつかご紹介します。
言葉がわかっている方が安心だし、受け継がれてきた日本の伝統文化の奥深さや、きもので嫁ぐことの意味を実感できる心の余裕も生まれるはず。
きものを着る順番はこうなっている
着慣れない人にとっては、あの中に何を何枚着ているのか見当もつかないもの。
下着も洋装とはまったく違います。美しい和の花嫁姿が完成するまでの着付けの順序や、それぞれのアイテムの名前と役割についても、予め知っておくといいかもしれません。
1.肌襦袢(はだじゅばん)
肌の上に直接、着用する下着で、汗や皮脂からきものを守る役目があります。
衣裳をレンタルする場合でも、肌襦袢や裾よけなどの肌着は、自分で購入して持参するのが一般的。
2.裾よけ(すそよけ)
肌襦袢の下、腰に巻き付けて用いる下着。
長襦袢(肌襦袢の上に着る下着)の汚れを防ぐと同時に、足さばきが楽になり歩きやすくなる効果も。肌襦袢と裾よけが一体化したワンピースタイプのものもあり、好みで選ぶことができます。
3.長襦袢(ながじゅばん)
肌襦袢、裾よけの次に着るのが長襦袢。
きものの衿、袖、裾などへの汚れを防ぐ他、美しく着こなしのためには不可欠で、冬には保温効果もあります。結婚式では通常、白か淡い色のものを着用します。
4.半衿(はんえり)
長襦袢に縫い付ける、付け替えタイプの衿が「半衿」。
本来は、長襦袢を皮脂や整髪料から守るためのものですが、顔にも近いためコーディネートのポイントにもなります。色がついたもの、刺しゅうが施されたものなど、おしゃれの楽しみが広がる小物でもあります。
5.掛下(かけした)
白無垢・色打掛の場合に用いられる、長襦袢の上に着るきもの。
掛下を着て帯を締め、最後に白無垢もしくは色打掛を羽織ります。打掛の下に着ているから「掛下」。
白無垢の場合は白が定番ですが、色打掛の場合には色のきものを選べる場合も。
花嫁五点セット ―筥迫・懐剣・末広・帯締め・抱え帯―
花嫁和装の仕上げに欠かせない衣裳小物、筥迫・懐剣・末広・帯締め・抱え帯の一式をそろえたものを「花嫁五点セット」と呼び、衣裳店の多くが、五点がセットになった揃いの色小物でコーディネートを提案してくれるはずです。
もちろん、それぞれを別々に選べる場合や、最初からセットが決まっている場合もあるので衣裳店に確認してみましょう。
①筥迫(はこせこ)
江戸時代の化粧ポーチ。過去の紹介記事はコチラ
②末広(すえひろ)
手に持ったり帯に差したりする扇子のこと。過去の紹介記事はコチラ
③懐剣(かいけん)
お守り刀ともいわれます。過去の紹介記事はコチラ
④帯締め(丸ぐけ)
帯の上から結んで押さえる紐状の装飾品。婚礼衣裳の場合、中に綿を詰めた「丸ぐけ」と呼ばれるタイプを使います。帯との色合わせが着こなしのポイントに。
⑤抱え帯(かかえおび)
帯の下の方で結ぶ細い帯で、きものの裾をたくし上げ押さえておくためのもの。現在は花嫁衣裳のみに用いられ、主に装飾的な役割に変わってきています。