金彩工芸(金箔/パール箔)
【きんさいこうげい】
古から受け継がれる伝統技法で
友禅染めに高級感を引き出す
金彩工芸は中国(唐)を経て日本に伝わった。歴史的には平安時代中期から桃山時代の能装束や古代衣裳には既に金彩加工を施したものが見られ、元禄期に登場した友禅染めより古い。時代とともに技法・素材・道具の改良と発見を加えつつ受け継がれてきた。織りや刺繍の金糸銀糸と同様、祝いの着物に欠かせない技法となっている。

多彩な技法と素材を駆使
熟練の職人技が光る
金箔、本貝螺鈿、振り金砂子等の金彩職人の仕事は、手描きの友禅に格調と豪華さを演出する生命線。織りや刺繍と違って布地に直接箔を接着させて柄を表していくので布地の風合いを失わず、柔らかくしなやかな仕上がり。古来愛されてきた金箔や貝螺鈿だけでなく、近年はパール箔等の新しい素材が登場し、モダンさも感じさせる。