本手描友禅
【ほんてがきゆうぜん】
京友禅の伝統に金彩工芸が煌く
“絹の宝石”をまとう喜び
京都で培われた手描き友禅の技術に、金箔や貝螺鈿、漆塗など様々な工芸手法を取り入れた、友禅作家・秋山章による独創の手法。長いもので900日という制作期間と25もの専門工程を要し、職人の膨大な手仕事の集大成で出来上がる一点物。友禅独特の繊細な発色としなやかで優美なシルエット、さらに豪華な輝きと高級感が特徴。
「友禅のうちかけ」を代表する
婚礼衣裳作家・秋山章
綿密な設計図と指示書があって成り立つ友禅の制作。それぞれに専門分野をもつ職人たちの技を集結し、唯一無二の作品に仕上げるのが「作家」。各界の著名人の結婚式衣裳制作も数々手掛けてきた秋山章は、90歳近い人生の大半を花嫁のうちかけを創ることだけに捧げてきた。祈りの日々のなかで、祈りの衣を創りつづける。
職人による手描きの色と柄
「染め」の技法、京友禅
友禅とは江戸時代に京都の絵師「宮崎友禅斉」が創始した、着物の染めの技法。刷毛で色付けすることで華やかな多色使いが可能。時代や産地によって様々な技法があり、なかでも「本友禅」は全工程が手作りとなり難度が高い。また、無垢な白生地から染め上げる「後染め」であることから儀式の衣としてふさわしいとも考えられる。